SEOに注意を向け始めると「ドメインパワー」と言う言葉を目にすることがあるかと思います。ドメインパワーは、WEBサイトが検索エンジンでのランキングやオンライン上での影響力を獲得するために重要な要素の一つです。ドメインパワーの基本をご紹介しながら、WEBサイトを「育てていく」という考え方についてお伝えしたいと思います。
ドメインパワーとは何か？
ドメインパワーと聞くと、一見“ドメイン自体がもつパワー”という印象を受けますが、実際には「WEBサイト全体の信頼性や権威性を示す指標」とイメージした方が理解がしやすいかと思います。
ドメインパワーという用語自体は、主にSEO業界で使われる概念であり、Googleがドメインパワーという特定の用語を使用しているわけではありません。
しかしながら、Googleの検索アルゴリズムはウェブサイトの権威性と信頼性を評価する多くの要素を考慮に入れています。これらの要素が、広義で言えば「ドメインパワー」と関連していると考えてよいでしょう。
ちなみに、かつてGoogleは検索アルゴリズムの初期のコアとなる指標を「ページランク」という形で公開し、誰でも自社のWEBサイトのドメインパワーにあたる指標をチェックすることができました。2013年にGoogleツールバーで確認できるページランクの数値更新を停止し、2016年にはページランクの公開を完全に停止しました。
停止した理由には、現在は操縦行為の防止、より複雑なランキングアルゴリズムへの移行、一般ユーザーへの混乱の回避などがあるとされています。
公開を停止したとはいえ、Google内部ではページランクは依然として存在しており、検索アルゴリズムの一部として利用されていると言われています。WEBサイトの重要性を評価するために、外部リンクの数と質を考慮するという意味で、今日の「ドメインパワー」と関連する概念と言えます。
ドメインパワーが高いウェブサイトは、検索エンジン（特にGoogle）によって信頼されているとみなされます。信頼性の高いウェブサイトは、検索結果で上位に表示されやすくなります。また検索エンジンに早くインデックスされやすくなるという利点もあると言われています。
ドメインパワーの基準と基本要素
ドメインパワーを形成する主な基準には以下のようなものがあげられます。
【1】 被リンクの質と量
WEBサイトへの被リンクの数とその質は、ドメインパワーに大きく影響します。高品質なWEBサイト（つまりドメインパワーの強いWEBサイト）からの被リンクは、より強い影響を持ちます。
逆に質が低いWEBサイトからの被リンクは、リンク元のWEBサイトの信頼性や関連性が低いと見なされ、被リンク先のWEBサイトの評価を低下させる可能性があり、ランキングの急落や検索結果からの除外につながることもあるため注意が必要です。
【2】 WEBサイトの運営期間の長さ
長期間運営されているドメインは、検索エンジン上、スパムや不正行為の可能性が低いと見なされからの信頼を得やすいとされています。またドメインの年齢（ドメインエイジ）が長いWEBサイトは、新規に設立されたドメインのWEBサイトよりも一般的に信頼度は高い評価を受けます。
【3】 コンテンツの質
検索エンジンは、高品質なコンテンツを発信するWEBサイトを高く評価します。有益でユーザーに価値を提供するオリジナルコンテンツは、検索エンジンからの信頼度を高め、ドメインパワーを高める重要な要素となります。
また、良質なコンテンツは他のサイトからの被リンクを引き付けるため、ドメインパワーを高める重要な要素となります。これは、検索エンジンからの評価を向上させ、ドメインの権威を高めます。
コンテンツの量については、豊富なコンテンツを持つWEBサイトは、より多くのキーワードで検索結果に表示される可能性が高まる点、被リンク獲得の機会が増える点などから、ドメインパワーに間接的に影響を与え、ウェブサイトの検索エンジンでのパフォーマンスを向上につながります。
【4】 ユーザーエンゲージメント
WEBサイト訪問者のエンゲージメント、特にページ滞在時間やページビュー数は、ドメインパワーに間接的ながら重要な影響を与えます。
ウェブサイトの訪問者が長い時間をサイト上で過ごし、多くのページを閲覧することは、そのサイトが価値のある、関連性の高いコンテンツを提供しているという強い信号となります。これにより、検索エンジンがサイトをより高く評価し、結果的にドメインパワーが向上する可能性があります。訪問者のエンゲージメントが高いサイトは、検索エンジンによって高いランキングを得やすくなります。高いランキングは、さらなる訪問者の流入をもたらし、ドメインパワーの向上に寄与します。
【5】 ソーシャルメディアの影響力
ソーシャルメディアの影響力はドメインパワーを評価する際の重要な指標の一つとされています。ドメインパワーを評価する際には、ソーシャルメディアでのシェア数や「いいね」の数など、ソーシャルメディアでのコンテンツの共有と反応を見ることで、ドメインへの影響力を評価することができます。
ドメインパワーをチェックする方法
ドメインパワーをチェックする方法は無料と有料のツールを使用して行うことができます。
いくつかの無料のドメインパワーチェックツールが利用可能です。これらのツールは、基本的なサイトの信頼性を数値化したドメインパワーをはじめ、WEBサイトへの被リンク数などを確認できます。競合サイトと比較することで自社WEBサイトのポジションを把握することができます。
ここでは、参考までにチェックツールを2つ紹介します。自社に適したものを選んでください。
MOZ
MOZでは、ドメインパワーを「ドメインオーソリティ（DA）」という独自の指標で定義された数値をチェックできます。自サイトや競合サイトの分析まで行える便利なツールです。情報精度が高く、機能も豊富であるため、世界中で使用されています。
※参照：
Moz – SEO Software for Smarter Marketing
パワーランクチェックツール
パワーランクチェックツールは、ドメインパワーの把握のみ行えるツールです。チェックしたいURLを入力してボタンを押すだけですぐに結果を確認できます。素早くチェックしたい方におすすめです。※日本国外IPからのアクセスできないようです。
※参照：
ドメインパワーの計測・チェックを無料で – パワーランクチェックツール | アクセスSEO対策ツールズ
ドメインパワーを高めるには？
上記のとおり、ドメインパワーとは「WEBサイトそのものの信頼性・権威性」であるため、WEBサイトの質を高め、信頼度を上げていく努力をすることで自然とドメインパワーもあがっていくことにつながります。
その上で、WEBサイトのドメインパワーを高めるためには、以下のような施策を意識するとよいでしょう。
質の高い被リンクの獲得
質の高い被リンクを獲得することは、ドメインパワーを高めるための重要な要素です。そのためには他の信頼できるサイトとの関係を築くことが一つのポイントとなります。
例えば、タイ拠点のWEBサイトであれば、日本本社をはじめその他海外拠点のWEBサイトを運営されているようであれば、それぞれ相互にリンクを貼り合うということは必須でやられた方がよいでしょう。
また自社サイトと相性の良さそうなWEBサイトにURLを掲載してもらうのも有効な手段です。
例えば、取引先であったり、相性な良さそうなWEBマガジンなどに企画を持ち込みURLを掲載してもらうのもよいでしょう。
とくに、大手企業、官公庁や学校など、一般社会的に信頼度、権威度の高い組織のWEBサイトは、検索エンジン上でも信頼度・権威度が高いとみなされる傾向があり、そのようなWEBサイトからの被リンクも質の高い被リンクとして評価される可能性も高いです。
また何かお知らせやニュースがあれば、プレスリリースを配信し、信頼度の高いニュースサイトへの掲載を促すのも一つの手段です。
記事広告という形で有料で掲載できるWEBマガジンやニュース媒体も、記事を読んだ人からの直接的な集客に貢献できる点に加え、信頼度の高いWEBサイトから良質な被リンク獲得できるというメリットがある点も考慮するとよいでしょう。
一方で、被リンクが欲しいからといって、リンクのみを羅列するようなサイトを制作したり、関連性の低いサイトからの被リンクを集めると、かえってペナルティを受けるリスクが高まるため注意が必要です。
高品質なコンテンツを継続的に掲載する
高品質なコンテンツを作成することは、ドメインパワーを高めることに直結すると言えます。
検索エンジンが定義する「高品質なコンテンツ」とは、ユーザーニーズを十分に満たすコンテンツのことです。Googleをはじめとする検索エンジンは、高品質なコンテンツを発信するウェブサイトを高く評価します。質の高いコンテンツは、検索エンジンからの信頼度を高め、結果としてドメインパワーを強化します。
また独自性、専門性の高いコンテンツはユーザーからのアクセスが集まりやすく、他のWEBサイトからの引用や参照が増えるチャンスが高まります。
ドメインパワーはSEOにおいて非常に重要な役割を果たしますが、短期間で施策の効果を実現することはできません。
WEBサイトを長期にわたって維持し、定期的に高品質なコンテンツを提供することで、ドメインパワーを徐々に向上させるスタンスが必要です。
長期的な視点を持ちながら、ユーザーのためになるWEBサイトをじっくり育てていく、という考え方が重要だと考えます。
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