【BtoB企業向け】WEBブランディングの基本と気をつけるべきポイント

「とりあえず企業のWEBサイトを作った」で終わらせてはいませんか?

企業のWEBサイトやSNSはあるけれど、何を更新したらいいのか分からない、上司に「とりあえず管理しておいて」と言われたけれど、何をすればいいのか見当もつかない——BtoB企業の現場では、そんな状況もよくあることです。

特に、これまで営業や現場を担当してきた方が、急にWEBやブランディングを任されるケースも珍しくありません。でも実は、WEBブランディングとは「難しいマーケティング施策」ではなく、自社の強みや姿勢を“信頼のカタチ”として伝える活動とも言えるものです。

この記事では、BtoB企業におけるWEBブランディングの基本と、実務の中で気をつけるべきポイントをご紹介します。

WEBブランディングとは?そもそも「ブランディング」って何のこと?

「ブランディング」と聞くと、「ロゴ」「デザイン」「イメージ戦略」といった言葉が頭に浮かぶかもしれません。または、BtoCの業界、例えば自動車や化粧品、飲料、アパレルなどの「おしゃれでかっこいい広告展開」をイメージする方も多いかもしれません。ですが、ブランディングはBtoBの企業活動においても非常に重要な役割を担っています。

なぜなら、BtoBにおいても、お客様が取引先を選ぶときに見ているのは「この会社は信頼できるか」「技術力がありそうか」「一緒にやっていけそうか」といった“見えない価値”や“印象”だからです。

実は、日常的な業務活動の中でも、BtoB企業は日々ブランディング的な行動を自然に行っているものです。

たとえば以下のような活動もブランディングの一部と言えます。

・営業担当者がきちんと名刺交換し、誠実に説明する
・提案資料が整理され、読みやすく、分かりやすい
・製品だけでなく、アフターサービスや納品体制にも言及する
・オフィスのエントランスが常にきれいに掃除されている

その意味では、ブランディングとは「自社がどう見られたいかを意識し、社会や取引先との関係性を築いていくための行動」と言い換えることもできるでしょう。

そして、その“信頼の構築”をWEB上で行うのがWEBブランディングです。

BtoB企業にとってWEBは、展示会や対面営業に代わる「第一接点」であり、会社案内でもあり、信頼獲得のツールでもあります

たとえ優れた製品やサービスを扱っていても、WEBサイトから具体的なメリットや利用イメージが描けなければ、候補から外されてしまうこともあるでしょう。

・ブランディング = 会社の価値や信頼を伝える“ふるまい全体”
・ WEBブランディング = その価値を、WEBで“見える化”する取り組み

「私たちは、こういう会社として見られたい」「こんな強みを理解してほしい」——その気持ちを、WEBという場でわかりやすく丁寧に伝えること。
それが、BtoBにおけるWEBブランディングの基本なのです。

WEB上でのブランディングで気をつける点とは?

リアルなBtoBのシーンにおいては、営業担当者が顧客と信頼関係を築き、資料を手渡しながら丁寧に説明していきます。相手の質問にその場で答え、個別対応もできるため、「信頼」や「納得」は人を介して自然と積み重なっていきます。

一方、WEBではどうでしょうか?

WEBサイトは“無人の営業担当”とも言われるように、訪問者に対して一言も話さずに第一印象を与える場です。しかも多くの訪問者は、検索から数秒で「信頼できる会社かどうか」を判断しています

だからこそ、WEB上でのブランディングでは、以下の点を意識する必要があります。

・第一印象のデザイン・構成が「信頼感」につながる
例:技術系なら落ち着いた配色、製品写真は高解像度で整理されたレイアウトに

・わかりやすい問い合わせまでの導線設計
例:資料請求ボタン、導入事例への動線、FAQページの有無など

・「この会社に任せて大丈夫」と思わせる情報設計
例: 誰が見てもわかる製品説明、導入事例、品質管理体制の紹介など

BtoBのWEBは、“派手さ”よりも“誠実さと実務的な信頼”をいかに伝えられるかがカギになると言えます。

誠実な対話が信頼を生むように、WEB上でもその姿勢が伝わる設計が求められます。

初心者が気をつけたいWEBブランディングの3つの基本ポイント(BtoB編)

はじめてWEBを担当する方でも、“見る人の立場になって考える”という基本姿勢があれば、十分に質の高いブランディングは可能です。

ここでは、初心者の方がまず押さえておきたい3つの基本的なポイントをご紹介します。難しいテクニックよりも、伝えたいことが、ちゃんと伝わる工夫ができているかどうかを意識してみましょう。

1. 「誰に、どんな強みを伝えるか」を明確にする

BtoB企業の場合、WEBサイトの主な訪問者は以下のような人たちです。

・現場担当者や購買担当者(製品情報を比較している)
・経営層(会社の信頼性をチェックしている)
・代理店やパートナー候補(協業の可能性を探っている)

それぞれが重視する情報は異なるため、誰に向けたページなのかを明確にし、その人が欲しい情報を的確に配置することが大切です。

例:製品スペックの詳細 → 技術者向け/導入事例と顧客一覧 → 経営者向け 等

“誰に伝えるか”を意識した情報設計が、信頼と成果につながる。

2. トーン&デザインの統一感が“会社の信頼性”に直結する

BtoBサイトでは、ロゴ、フォント、配色、写真、文章トーンがバラバラだと、「中途半端な会社」という印象を与えかねません。
情報の信頼性は、デザインの整理整頓から始まります。

・製品ページごとにトーンが異なる → 統一された説明スタイル
・スマホ対応がされていない → 閲覧者の多くはスマホを利用(特にタイ)
・ページごとに見た目のテイストが異なる → 全体の世界観に沿わせることで一貫性を保つ

3. 「育てる」意識で情報を更新し続ける

特にBtoBのWEBは、作って終わりではなく継続的な情報更新が信頼構築に繋がります

・導入事例や施工写真を定期的に追加
・展示会出展情報や製品リリースのニュースを反映
・よくある質問(FAQ)を蓄積してユーザー理解を促進

等・・・

更新が止まっているWEBサイトは、見た人に「この会社、今もちゃんと動いているのかな?」という不安を与えるリスクがあるので注意が必要です。

WEBブランディングを効果的に表現するコンテンツ例

WEBブランディングでは「どう見せるか」も大切ですが、「何を見せるか」も同じくらい重要です。特にBtoB企業の場合、ユーザーが知りたいのは“技術力”や“信頼性”といった見えにくい価値です。それらをうまく“見える化”するためのコンテンツを意識して用意しましょう。

ここでは、BtoBにおけるWEBブランディングに効果的なコンテンツの具体例をご紹介します。

1. 導入事例・実績紹介

信頼感を高める王道コンテンツ。
過去の導入企業名、業種、課題、導入効果をわかりやすく整理しましょう。可能であれば実名・写真付きで掲載できると信頼度が格段に上がります。

例:
「●●業界のA社にて、旧設備からの入れ替えで消費電力30%削減を実現」など

2. 技術コラム・製品解説記事

“技術力の見える化”に役立つコンテンツ。
専門知識を咀嚼して紹介することで、検索流入も増やしながら「技術に強い会社」という印象づけができます。

弊社制作事例:株式会社スイレイ様「水処理ジャーナル」
https://www.suirei.co.jp/blog/

3. 社内の取り組み・開発ストーリー

共感を得やすい“人間味”のある情報。
開発者や現場スタッフの声、製品に込めた想いを紹介することで、単なるスペック以上の“背景”を伝えることができます。

弊社制作事例:米沢工機株式会社様 採用サイト「タイ洪水からの復興プロジェクト」
https://www.yonek.co.jp/recruit/project_01/index.html

4. 品質管理・サポート体制の紹介

「取引先として安心できる会社か?」を判断する材料になります。
対応フロー、保守体制、認証取得状況などを図や写真でわかりやすく提示しましょう。

例:「24時間対応の技術サポート」「ISO9001取得済」「タイ国内に技術スタッフ常駐」

 

5. 経営理念・代表メッセージ

企業姿勢を伝える“会社の顔”としてのコンテンツ。
言葉選びやビジュアルにも気を配り、閲覧者に「この会社と一緒に仕事がしたい」と思ってもらえる空気感を意識しましょう。

こうしたコンテンツは、WEBサイトだけでなく、SNS・営業資料・ホワイトペーパーなどとも連動させることで、より強力なブランディング効果を発揮します。

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BtoBにこそ、WEBブランディングが必要

BtoB企業は「技術力」「実績」「信頼感」が大切——だからこそ、それを伝えるためのWEBブランディングは会社の価値そのものを表現する場になります。

見た目を整えるだけでなく、誰にどう見られたいか、どのような言葉で伝えるかを意識しながら、自社の“声”をWEB上に載せていきましょう。
一歩ずつでも、継続して積み上げていけば、「あの会社なら信頼できる」というブランドは、必ず築かれていきます。

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